バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 事実,非存在(存在しないこと)は,極めて稀な属性である。二人のドイツの悲観主義的な哲学者の(次の)話を皆知っている(だろう)。その内の一人が,「生れなかったならばどれ程(より)幸福だったことだろう」と叫び,これに対しもう一人の哲学者は,ため息をつきながら,次のように応えた。「その通り,だがこの幸福な運命を達成した(幸運なくじを引いた)人間はなんとわずかなことか!

Non-existence, in fact, is a very rare property. Everybody knows the story of the two German pessimistic philosophers, of whom one exclaimed: "How much happier were it never to have been born." To which the other replied with a sigh: "True! But how few are those who achieve this happy lot."
 出典: Bertrand Russell : Mind and Matter (1950?)
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/19501110_Mind-Matter030.HTM

 <寸言>
 自分は存在しているかどうか問題にして根源的な問をする時に、自分(我)の存在を前提にして証明しようとすることはおかしい。人間が何か考えている時に、「思考(考えている)」という現象が起こっているのは確かであろうが、その時に「我【自分)」の存在を仮定するようなことがあれば矛盾してしまう。