ラッセル『私の哲学の発展』(松下彰良・対訳)

My Philosophical Development, by Bertrand Russelll (London; George Allen & Unwin, 1959)


総目次

第9章 外界 イントロ累積版

  1. 『プリンキピア・マテマティカ(数学原理)』の執筆が終わるとすぐに、その本がまだ印刷中に、ギルバート・マレー(George Gilbert A. Murray, 1866-1957: 英国の古典学者で、オックスフォード大学及びハーバード大学の教授を務めた。)から、私の哲学の概要を通俗的な言葉(in popular terms 通俗的な用語を使って)で述べる(setting out)小さな本を「家庭大学叢書」(The Home University library オクスフォード大学出版局のシリーズもの)のために書いてみないかと誘われた。

  2. 点と瞬間と粒子とに関して、私はホワイトヘッドによって、「独断的まどろみ」(dogmatic slumbers)から目覚めさせられた。

  3. 我々(人間)の物理的知識の源泉としての知覚の問題は、私にとって、大変厄介な問題(perplexing 厄介な)に思われた。

  4. この問題と取り組むことが可能な方法(やり方)にはいろいろある。

  5. これらの理論の中の第二と第三(の理論)は、私が経験することから私の経験しない何ものかへの推論を必要とする。

  6. 我々(人間)の外界の知識に関する理論における、いくつかの目新しい着想(novelties 目新しさ,新規性)が、1914年の1月1日に突然、私にパットひらめいた。

  7. この理論によれば(この理論では)、事象(event)を(一つの)束に集めるのに二つの方法(やり方)がある。

  8. 前述したように(上で言及したように)、事象を(一つに)集めて束にするもうひとつの方法(やり方)がある。

  9. 私は上述の理論を、事実を説明する唯一の理論として、あるいは(また)必ずしも真なるものとして提出したのではなかった。

    第10章