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『ラッセル自伝』(松下彰良・訳)17-15

The Autobiography of Bertrand Russell, v.1

前ページ 次ページ v.1,chap.7 (Cambridge Again) 目次 Contents (総目次)

 ハーバード大学における自分の任期が終わると,私は,他の2,3の大学で1回ずつ講義をした。それらの中の1つとして,私は,アナーバー大学に行った(注:アナーバー大学というのは,多分現在のミシガン大学アナーバー校の前身と思われる。/アナーバについて/右上地図の緑の吹き出し部分がボストン,赤い吹き出し部分がアナーバー)。アナーバ大学学長は,新しい建物のすべてを,−−特にご自慢の図書館をじっくり,私に見せてくれた。その図書館には,世界で最も体系的な(科学的な?)索引カード(カード索引)があり,またその図書館の集中暖房方式(セントラル・ヒーティング)は,驚くほど最新式であるように思われた。学長がこれらすべてを説明している間,私たちは,すばらしい机が置いてある広い部屋の中央に立っていた(注:多分,立派な閲覧机が置いてある中央大閲覧室であると思われる。)
「それで,図書館の蔵書を既に読んでいる人はいますか?」
と私は尋ねた。彼は驚いたようであったが,こう答えた。
「もちろんですとも。今向こうに本を読んでいる男性がいます」
 そこで私たちはその人を見に行き,そうしてその男性は小説を読んでいるということがわかった。
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When the Harvard term came to an end, I gave single lectures in a few other universities. Among others I went to Ann Arbor, where the president showed me all the new buildings, more especially the library, of which he was very proud. It appeared that the library had the most scientific card-index in the world, and that its method of central heating was extraordinarily up-to-date. While he was explaining all this, we were standing in the middle of a large room with admirable desks. 'And does anybody ever read the books?' I asked. He seemed surprised, but answered: 'Why yes, there is a man over there now reading.' We went to look, and found that he was reading a novel.
(掲載日:2006.03.06/更新日:2011.6.6 )