(トップへ)  ラッセルに関する評論  (本館へ)

バートランド・ラッセルのポータルサイト


『理想』1962年2月号(ラッセル特集号)
  1. pp.1-10:ラッセルの理論哲学(吉田夏彦)
  2. pp.11-22:ラッセルの論理学(石本新)
  3. pp.23-29:ラッセルの教育思想(竹尾治一郎)
  4. pp.30-37:ラッセルにおける性と結婚(久田見昇)
  5. pp.38-44:著作を通じて見たラッセルのプロフィール(碧海純一)
  6. pp.45-47:ラッセルの主な論文著作(省略)
理想1962年ラッセル特集号表紙の画像 編集後記
 バートランド・ラッセルは今年(1962年)の五月で九十歳になりますが、なおかくしゃくとして活躍していることはまことに驚嘆に値することであります。英国の代表的哲学者として、ここ数年はもっぱら平和運動に挺身していることはすでに周知の通りです。特に昨年は投獄沙汰までひきおこすという熱の入れ振りでした。これに対して批判的な見解もぽつぽつきかれますが、平和に対する彼のたゆみない熱情を、われわれはまず買うべきでしょう。立場の差はあるにしても、シュヴァイツァー博土についても同じことがいえましょう。これらの人々の発言はやはり民衆の要望を代弁するだけの底力をもったものであってほしいものです。
 今月はラッセルの思想を掘り下げる特集となりました。彼のおびただしい著作は主としてロンドンの老舗ジャージ・アレン社から刊行されています。ここにも彼の勢力的な努力のあとがうかがわれます。哲学書は初期から中期にかけて多く、後期は政治、社会問題についてのものが多いようです。これらの著作を通して彼の思想をこまかく検討するには、紙幅が足りませんが、少くともその概観を捉えようというのが本号の主眼です。
 ラッセルの原文はいまわが国でも大いに読まれていることは喜ばしいことです。一斑をもって全豹を押すということは不可能かもしれませんが、その人の文章を通して、その人の思想をうかがくことは出来ましょうし、彼独特の風刺と洞察にみちた流暢な文は読者につよく訴えることと思います。