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ラッセル『結婚論』第9章「人生における恋愛の位置」(松下彰良・訳)

Marriage and Morals, by Bertrand Russell
(London; Allen & Unwin, 1929)


総目次

第9章 イントロ累積版

  1. 大部分の社会(共同体)において、奇妙なことに、恋愛に対する支配的な態度には二つの面がある。
  2. 恋愛(Love)は,この言葉を適切に(正しく)使用した場合は,男女間の任意の,あるいはすべての関係(注:いわゆる「愛情」)を指すのではなく,少なからぬ情緒を含み,肉体的であると同時に心理的でもある関係のみを意味する。
  3. けれども,現代世界においては,恋愛には,宗教よりもいっそう危険なもうひとつの敵がある。
  4. 現代の典型的な実業家(注:business man 日本語の「ビジネス・マン」のような一般の平社員のことは言わない。)の生活、特にアメリカの(企業家の)例を考えてみよう。
  5. 恋愛は、性交への欲求よりもはるかに上のものである。
  6. 幸福な相互的な愛情に結ばれた深い親密さと熱烈な付き合いをまったく経験したことのない人びとは,人生が提供する最上のものを失っていることになる。
  7. 大部分の男女は、適切な条件さえ与えられれば、生涯のある時期に情熱的な恋愛(感情)を感じるであろう。
  8. 因習的な教育が恋愛に −いや,結婚の中の愛情にさえ− 植えつけた罪の意識(罪悪感)は,女性ばかりではなく,男性の中でも,また,古い伝統にしがみついている人びとだけでなく,意識的には解放された意見を持っている人びとの中でも,しばしば,潜在意識的に働いている(作用している)。
  9. 現代世界には,もうひとつ,恋愛(感情)の十全な発展にとって,もっと心理的な障害となるものが存在している。
  10. 現代の(性的に)解放された人びとの間において、我々が関心をもっているようなまじめな意味での恋愛は,新たな危険にさらされている。
  11. 人生において恋愛に(対し)正当な位置を与えよという主張は、これまで見てきたように、非常に強いものである。
第10章 結婚