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バートランド・ラッセルに関する徒然草_2008年11月

★「ラッセル徒然草」では、ラッセルに関するちょっとした情報提供や本ホームページ上のコンテンツの紹介、ラッセルに関するメモや備忘録(これは他人に読んでもらうことを余り意識しないもの)など、短い文章を、気の向くまま、日記風に綴っていきます。 
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ラッセル徒然草_2008年11月

[n.0050:2008.11.15(土):「(仮想)ラッセル講義」]


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 学問研究において専門分化が進み過ぎ弊害も大きくなってきたことから,最近では学問・研究分野全体を俯瞰するための構造化や融合化の試みが増えてきた。また資源保護や気候温暖化対策の観点などから,持続できる社会を創る必要があるということで,サスティナビリティが強調されるようになってきた。もちろん,専門分化の弊害や,諸学問の統合化,総合化の必要性は30年以上前からいわれていた。しかし当時は人類の生存に係わるところまで事態は深刻化していなかった(少なくとも社会一般がそのような自覚を持っていなかった)ので,寧ろ専門化の必要性の方がより強調されていた。

 私は,学生の頃から,狭い分野での研究を好まなかったので,ラッセル研究も焦点をしぼることなく,結果的に,雑学的なアプローチをとることになってしまった(しいて言えば書誌学的あるいは文献学的アプローチと言えないこともないが・・・)。高校1年までは数学が好きかつ得意であったが,高校1年の時ラッセルを読むにいたって,幅広い勉強をしたくなり,いろんな分野の読書をし始めたため,数学の勉強は余りしなくなり,みるみるうちに数学の成績が落ちていってしまった。当時得意だった数学を中心に勉強をしていたら,これまでのような苦労をしなくてすんだかも知れない。

 それはさておき,(バートランド・ラッセルのポータルサイト用の)メルマガは、本日めでたく第百号を発行することができた。それを記念して,大学の教養課程で30回に渡って(通年で)「ラッセルの思想と生涯に関する講義」を行うことを「仮想(想定)」して,ライブドアのWikiのサイトに,「(仮想)ラッセル講義」なるものを作ってみた。これは,ラッセルのホームページのコンテンツ紹介を兼ねているので,ラッセルについて知りたい情報を探すための索引としてもご活用いただきたい。
 今後この「(仮想)ラッセル講義」が良質のコンテンツになるよう,適宜改定増補作業を行っていきたいと考えている。


[n.0049:2008.11.2(日):(俳優)児玉清「岩波新書のなかの3冊」]

sigmarion3 の画像
 毎年読書週間(11月3日の文化の日を挟んだ,10月27日から11月9日の2週間)近くになると、各出版社は、自社の出版物の宣伝を兼ねて、自社の出版物のなかから(たとえばお薦めの文庫50冊など)推薦図書を特集することを年中行事としている。昨日恵比寿のホテルのカフェで読書会(ラッセルを読む会)を開催したが、三浦(俊彦)さんから、最近出たばかりの岩波書店の『図書』(2008年臨時増刊号)に、「私のすすめる岩波新書」のテーマのもと、約200名の文化人?による「お薦めの岩波新書」がリストアップされていることを教えていただいた。

 推薦人のひとりとして三浦さんも、p.58に湯川秀樹,朝永振一郎,坂田昌一(共著)『平和時代を創造するために』を含め3冊の本を推薦されているが、本日ご紹介しておきたいのは、そのことではなく、俳優の児玉清(追記:1933年~2011.5.16)が推薦図書として、三浦俊彦氏の『ラッセルのパラドクス-世界を読み換える哲学』を筆頭にあげていることである。児玉清は知的な司会者として有名だが、読書家としても知られている。ウィキペディアによると、児玉氏は学生の時は役者志望ではなく、大学院進学を目指していたそうである。芸能人となってからも幅広い読書を続けてこられたのも、好きな研究生活を続けられなかったこと(教養のない芸能人になりたくないという気持ち・一種の恐怖心)が影響をしているのではないかと想像される。最近おバカキャラで売っている・人気を得ている芸能人(特にタレント)が増えており、またまとまった読書をほとんどしない若者も増加しているので、「読書好き」と聞くと好感度が増す(加点をする)のは私だけであろうか?(読書好きな芸能人の例:北野武、太田光,辺見まり,小泉今日子/芸能人ではないが、ジャイアント馬場も読書家として有名。)

 それにしても俳優の児玉清がラッセルの哲学の解説書・研究書を読んで感銘を受けたというのは意外であった。児玉清は、推薦文に次のように書いている。

皮肉屋で辛辣かつ鋭く世相を抉る(えぐる)ラッセルの言葉に★長年感嘆してきた★が、本書と出会い、日常生活を見る目が一変した。ラッセル・ワールドをひもとく論理学の必読の一冊か。