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政治的な構造(物)が築かれるべき幅広い本能的メカニズムは、集団内での協力と他の集団に対する敵意である。集団内での協力関係は決して完璧ではない。(そこには)集団に順応しない、語源的な意味で「抜きんでた(群れから外れた)」、つまり集団の外にいる構成員がいるのである。このような構成員は、一般の水準より下に落ちた者、あるいは一般の水準より上に昇った者である。つまり、愚か者、犯罪者、預言者、発見者などである。賢明な集団は、平均以上に昇った者たちの奇抜さを寛容に受け入れ、平均以下に落ちた者たちを最小限の厳しさで扱うことを学ぶだろう。
The broad instinctive mechanism upon which political edifices have to be built is one of co-operation within the herd and hostility towards other herds. The co-operation within the herd is never perfect. There are members who do not conform, who are, in the etymological sense, "egregious", that is to say, outside the flock. These members are those who have fallen below, or risen above, the ordinary level. They are: idiots, criminals, prophets, and discoverers. A wise herd will learn to tolerate the eccentricity of those who rise above the average, and to treat with a minimum of ferocity those who fall below it.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954, part II: The Conflict of Passions, chapter 2: Politically important desires, n.17
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-2_0217.htm
<寸言>
不寛容な社会は窮屈であるばかりでなく、社会は安定しません。宗教的な不寛容な現代のアメリカ社会は争いが生じやすく、不安定です。アメリカは「キリスト教徒の国」だと主張するアメリカ国民が多数いますが、1620年9月に清教徒(Pilgrim Fathers)がマサチューセッツ州プリマスに到着するまで、アメリカはアメリカ人の国でも、キリスト教徒の国でもありませんでした。彼等はもともと移民であり(アメリカは移民の国であり)、後から来た人々を「不法移民」として排斥する人達は不寛容に映ります。
国土が狭くて、移民を受け入れていない日本から見ると、移民を排斥するのは無理もないと思われるかもしれないですが・・・。
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#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell