バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


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 世界が安定を回復することができるためには、その前に行われなければならないことが3つある。その第一は、武力を独占した世界政府の樹立である。第二は、世界の様々な地域で生活水準がほぼ平等になることである。第三は、人口が横ばいか、あるいは、非常にゆるやかに増加することである。この3つが達成されると私は言っているのではない。私が言っているのは、これらの3つ(の条件)が達成されない限り、現在の耐え難い不安定な状況が続くだろうということである。

There are three things that must be achieved before stability can be recovered: the first of these is a world government with a monopoly of armed force; the second is an approximate quality as regards standards of life in different parts of the world; the third is a population either stationary or very slowly increasing. I do not say that these three things will be achieved. What I do say is that unless they are, the present intolerable insecurity will continue.
Source: バートランド・ラッセル「安定世界の三要件」(Three essentials for a stable world, 1952, by Bertrand Russell.
In: New York Times Magazine, 3 Aug. 1952, pp.11 & 53.; Repr. in: (58)Fact and Fiction.)
More info.: https://russell-j.com/beginner/STABLE-W.HTM
<寸言>
 世界連邦政府の必要性を主張しても、東西の両陣営から ― 「東西の両陣営」という表現は古臭いと言うのであれば ― 主に、現在覇権を争っている大国の指導者たちからは、それは「独裁国家に通ずるもの」だとか、それは「共産主義の思想」だとか、様々な批判が起こり、相手にしてもらえません。もう少し穏やかな批判としては、世界連邦政府は理想主義に過ぎず、国際連合も十分機能していない現在、大国間で利害関係を調整するしか方法はない、との反論が返ってきます。
 そのような状況は、大国や大国に追従して利益のおすそ分けをもらっている国々にとっては都合がよいかも知れませんが、それ以外の国々にとっては、主権がないも同然であり、不都合な状況と言えます。
 核戦争が起こり、大国の指導者達が世界連邦政府の必要性を実感するようにならない限り、世界連邦政府などは「絵に描いた餅」にすぎないのでしょうか?
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