戦争における勇気は、大昔から重要な美徳として認められており、青少年の訓練の大部分は、戦場において大胆不敵でいられるタイプの性格を作りあげることに費やされてきた。しかし、道徳的な勇気や知的な勇気については、これまで研究されることがずっと少なかった。
Courage in war has been recognised from time immemorial as an important virtue, and a great part of the training of boys and young men has been devoted to producing a type of character capable of fearlessness in battle. But moral courage and intellectual courage have been much less studied.
出典: バートランド・ラッセル『 幸福論』第17章「幸福な人間」
詳細情報.: https://russell-j.com/beginner/HA28-020.HTM
<寸言>
加害者は、時間がある程度経過すれば、自分の加害行為を忘れてしまいます。しかし、被害者は、時間が経過しても、自分が受けた被害を忘れないで覚えています。
戦争がいったん起これば、普段冷静だっと人も人間性が変わってしまうことが少なくありません。神風特攻隊であろうと、人間魚雷の回天特攻隊であろうと、自己犠牲の精神が褒め称えられます。しかし、自分の行為によって多数の者を「殺害」することについては言及されません。そうして、人間の忘れっぽさによって、戦争は繰り返されることになります。
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