バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 第三の種類の財、即ち、ある人の所有が必然的に他の人の所有の妨げにならない財については、分配の問題はないはずであるが、実際には存在している。私が考えている第三の財は、子供の生きる喜びから、天才が作品を創作することや我々がその作品を鑑賞することに伴う最も洗練された精神的喜びに至るまで、非常に幅広いものである。・・・。高等教育に依存する良いもの全ては、現在のところ、少数派の特権であり、かなりの余暇時間に依存するものも同様である。そのようにして、本質的には必要のない競争が現在行われているが、その救済策は倫理よりもむしろ政治にある。

As regards our third class of goods - namely, those in which one man’s possession does not interfere, of necessity, with that of another - there ought to be no problem of distribution, but, in fact, there is. The sort of goods that I am thinking of have a very wide range, from a child’s joy in living to the most refined mental delights in the creation or enjoyment of works of genius.... All the good things that depend upon higher education are, at present, the prerogative of a minority; and so are those that depend upon considerable leisure. In such ways there is, at present, competition which is not essentially necessary, but the remedy lies in politics rather than in ethics
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 11:
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-1108.htm

<寸言>
 高等教育の無償化も含め、教育の無償化が必要な理由がここにあります。「国民の命を守る」というお題目を唱えることで、国民の多くが必要としている予算が削られてしまっています。
 裏金その他の腐敗議員も、中国脅威論や防衛力強化さえ唱えていれば、愛国主義者として支持されると思っている(国民を思わせようとしている)ようです。
 なお、「should」と「ought to」との違いは、「ought to」には「~であるべき」のほかに「~のはずである」の意味がある、ということにあります。
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