バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 例外的特権に依存する安心・安全は不正であり, 自分に都合のよい不正のための口実を見つけださなければならない人間は,必ず, ゆがんだ道徳的感覚を持つようになる。一方, 自由競争の勝者である現代世界の強者は, 競争での成功を達成する冷酷さや様々な行為の価値を過大評価する。

Security depending upon exceptional privilege is unjust, and the man who has to find excuses for an injustice by which he profits is bound to acquire a distorted moral sense. On the other hand, the powerful men of the present day who are the victors in a free fight overestimate the value of ruthlessness and of the various acts by which success in competition is achieved.
Source: Bertrand Russell: On economic security (written in June 1, 1932 and pub. in Mortals and Others, v.1, 1975.
More info.: https://russell-j.com/ESECRITY.HTM

<寸言>
 新自由主義(neoliberalism)は1980年代に世界的に流行した経済政策で、国家による福祉・公共サービスを縮小し(小さな政府及び公共サービスの民営化)、大幅な規制緩和、市場原理主義を重視する経済政策です。日本でも小泉政権によって推進され、多くの非正規雇用を生み出し、いろいろな格差が生まれました。
 上記に引用したラッセルの発言は1932年に書かれたもの(出版されたのはラッセルの死後の1975年)ですが、この新自由主義の登場の予言及びその批判にもなっています。

#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell