バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 ・・・。非難は、それが意図的なものである場合、感情であると同時に判断でもある。 私は自分が非難している行為に対して嫌悪を感じ、その嫌悪を感じることは正しいと判断する。 感情は単なる事実であり、理論的な問題は生じないが、判断はもっと難しい問題である。・・・。もしかすると、その判断は実際は判断ではなく、別の感情、つまり私の好き嫌いに対する承認の感情であるかも知れない。この見解によれば、衝動的ではなく意図的にある行為を非難するとき、私はその行為を嫌い、その嫌いに対して承認の感情を感じるのである。

Blame, when it is deliberate, is both an emotion and a judgment; I feel a dislike of the act that I blame, and I judge that I do right in feeling this dislike. The emotion is just a fact, and raises no theoretical issue, but the judgment is a more difficult matter. ... Perhaps the judgment is not really a judgment, but another emotion, namely, an emotion of approval towards my likes or dislikes. According to this view, when I deliberately, and not impulsively, blame an act, I dislike the act, and feel towards my dislike an emotion of approval.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter98:Is there ethical knowledge ?
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0909.htm

<寸言>
 まったく同じ行為でも、自分が好ましく思っている人の行為の場合には肯定あるいは是認(いたしかたないこととして承認)するが、好ましくない人の同じ行為は否定する、ということは日常茶飯事です。
 「適切に判断し、適切に処理します」というフレーズを政治家や官僚は常套文句として使いますが、このフレーズを分析しても、何もでてきそうもありません。

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