バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 もし人類が生き残るべきであるならば,科学戦争を引き起こす力を最高位の権威のある国家(supreme State)だけに集中してもたせなければならないだろう。しかしこういった考えは人間精神の習性に反するものであるため,いまだ,大多数の人々は人類絶滅の危険を冒す方を好むだろう。これは現代(我々)の最大の危険である。この危機に臨んで世界政府の樹立が間に合うかどうかは,我々の時代における最大の問題である。

If mankind is to survive, the power of making scientific war will have to be concentrated in a supreme State. But this is so contrary to men's mental habits that, as yet, the great majority would prefer to run the risk of extermination. This is the supreme danger of our age. Whether a World Government will be established in time or not is the supreme question.
Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 1: Return to England, 1969.
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB31-210.HTM

<寸言>
 第三次世界大戦勃発の可能性は低くても、核兵器を使用した世界的規模の戦争が起こる危険性があることは否定できません。
 いくつかの国で、核戦争に耐えられる防空壕づくりがかなりなされていますが、そういった備えをする人達は核戦争が起こっても自分達は生き残れるという幻想を持っているようです。日本でも、核戦争に備えるための防空壕を全国に設置する必要があると主張する国会議員が出始めています。そうして、防衛産業によって金儲けをしようとする「勢力」が力を増しつつあります。
 添付画像(国別の第三次世界大戦勃発予想)を見ると、第三次世界大戦が起こる可能性が高いと思う国民が一番多い国がオーストラリア(81%)で一番少ない国が日本(51%)とのことです。日本人は核兵器の恐ろしさを理解している人が多いが、日本以外の国民はその恐ろしさをあまり理解している人が少ないということでしょうか? オーストラリア国民は、核戦争で北半球に人間が住めなくなっても、南半球は大丈夫という楽観的予想を持っているのでしょうか?

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