バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 私は最初に理性に訴える方法を試みた。即ち,核兵器の危険をペスト(黒死病)に比較した。誰もが「全くその通りだ!」と言ったが、誰も何もしなかった。特定の集団に注意喚起を試みた。限定的な成果はあったが,一般市民や各国政府に対してはほとんど効果はなかった。次に私は,大規模なデモ行進による大衆アピールを試みた。皆がこう言った。「このようなデモ行進は迷惑だ!」・・・。
 しかし,人類が自らを保存する価値があると考えるかどうかは,疑問のままである。


I tried first the method of reason: I compared the danger of nuclear weapons with the danger of the Black Death. Everybody said, 'How true,' and did nothing. I tried alerting a particular group, but though this had a limited success, it had little effect on the general public or Governments. I next tried the popular appeal of marches of large numbers. Everybody said, 'These marchers are a nuisance'..
But whether mankind will think itself worth preserving remains a doubtful question.
Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 1: Return to England, 1969.
More info.:http://russell-j.com/beginner/AB34-010.HTM

<寸言>
 多くの国が「同盟国側が核を保有するのは仕方がないが,敵国側が持つのは"絶対認められない!"」という態度をとります。テロリストが核兵器を奪って所有するようになって初めて、少し反省するようになるのでしょうか?
 「通常」兵器の輸出に関する態度も同様です。日本政府は、戦争を行っている国や地域への武器輸出は認めないが、それ以外の友好国には、日英伊(三国)で共同開発する戦闘機の輸出を認めることを閣議決定しました。一方では、戦闘国であるイスラエルから強力な軍事ドローンを輸入しようと検討しています。戦闘国に対して武器を輸出してはいけないが、戦闘国から輸入はよいことにせざるを得ないのでしょうか? 米国は世界中で戦争に参加する可能性があるので・・・?

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