しかし、戦争には反対であるが,各国政府が紛争時において自己の立場の最終的判定者であるという現在の制度に賛成であると、いかなる論理の見せかけをもってしても、主張することは不可能である。もしも戦争が永久に廃絶されるべきであるならば,抵抗できない軍事力を備えた国際的な政府の樹立によってなされなければならないであろう。
But you cannot say, with any semblance of logic, that you are against war but in favour of the present system, according to which, in a dispute, every government is the ultimate judge in its own case. If war is ever abolished, it will have to be by the establishment of an international government possessed of irresistible armed forces.
Source: Bertrand Russell: Right and Might (written in early of 1930s and pub. in 1975 in Mortals and Others, v.1, 1975.
More info.:https://russell-j.com/SEIGI.HTM
<寸言>
戦争には反対だが、自衛(防衛)の権利はあり、仮想敵国に負けない防衛力(集団防衛も含め)を整備する必要があると、いずれの国も主張します。その結果、各国(世界)が費やす防衛費は膨大な金額となっています。それらの予算を貧困対策や格差是正に投下すれば、多くの不幸を救済できるはずですが、「国を守る」「国民の命を守る」という合言葉のもと、それらの声はかき消されます。
国連にはその力がないので、東西の超大国の軍事バランスのもとに平和は保たれているという幻想から抜け出すことができません。
日本は永世中立を宣言し、自衛隊の大部分を国連平和維持軍(各国の混成軍)に移行し、世界中に平和維持軍として派遣するようにすれば、いずれの国も(仮想敵国の北朝鮮であっても)日本を攻めようとすることはしないはずです。「軍事力を備えた国際的な政府の樹立」には相当時間がかかりますが、私の提案なら早期に実行可能なはずです。もちろん、日本政府の関係者は、米国に追従する方式が最も楽であるとともに利益が大きいと考えるでしょうが・・・。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell