バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 プラトンの対話(対話篇)に登場する若者達は哲学への献身心を示しているが、それは経済的な安定と奴隷世帯の円滑な運営に依存している。メルボルン卿は、グレヴィルが記録したホランド・ハウスでの会話はその教養の幅の広さにおいて今でも魅力的であり、また、妻のバイロン風の浪費に文明的な不屈の精神で耐えた人物であるが、彼の業績を可能にした収入は、炭鉱での子供達の拷問から得たものである。従って、奴隷制や社会的不公正が、過去において文明の発展に有益な役割を果たしたことは認めなければならない。

The young men in Plato’s dialogues show a devotion to philosophy which depends upon financial security and a smoothly running household of slaves. Lord Melbomne, whose conversation at Holland House, as recorded by Greville, is still fascinating in its breadth of culture, and who endured with such civilized fortitude the Byronic extravagances of his wife, derived the income which made his merits possible from the torture of children in coal mines. We must therefore admit that slavery and social injustice have, in the past, served a useful purpose in the development of civilization
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954, preface.
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0807.htm

<寸言>
 現代においても奴隷制度を前提とした貴族制度をラッセルは評価しているのかと、早とちりする人がいるかもしれません。ラッセルは貴族でしたが、ラッセル自身は英国の貴族制度は廃止したほうがよいと何度も書いていました。
 ラッセルが言おうとしているのは、プラトンなどの古代ギリシア哲学は評価すべきものであること、ただし、当時の経済水準においては,それは奴隷制度があったからこそ可能であったことを認識する必要があること、の2点です。現在の経済水準であれば、奴隷制度は不要であり、忌むべきものということになります。もちろん、当時であっても、仮にその時代に自分が奴隷として生きていたのなら、奴隷制は忌むべきものだと考えるはずです。

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