<「自由とは何か」(1952年の公開講演から)>
人間性の中には,社会的な目的に役立つものがまったくない場合でさえ,(慣習などへの) 同調を求める衝動があるように思われます。特に,この衝動は,小中学生(男子生徒)の間に顕著です。誰もが帽子ををかぶっている学校において,もし帽子をかぶらずに登校すれば,その生徒はいじめられます。ところが一方,誰もが無帽で登校する学校では,帽子をかぶる生徒はいじめられます。
There appears to be in human nature an impulse to demand conformity even when it serves no social purpose. This is especially notable in schoolboys. In a school where everybody wears a hat, a boy will be kicked if he goes bare-headed; while, in a school where nobody weares a hat, he will be kicked if he does not go bare-headed.
Source: Bertrand Russell: What is Freedom? (1952)
More info.:https://russell-j.com/cool/0984_what_is_freedom/htm
<寸言>
そういった衝動は、遅くとも高校生になれば大部分消えますが、一部の人には大人になっても残ります。いや、自分については型にはめられることは嫌っても、他人を型にはめたがる大人はけっこういます。なかには、道徳や倫理の仮面をかぶったり、愛国心を装ったりして、国民を型にはめたがる人もそこそこいます。国民全員が軍隊の経験をもつべきだと主張する政治家もいたりします。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell