バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


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 正義と不正義とは同時に考慮しなければならない。一方を強調し他方を強調しないことは不可能である。それでは,「不正義」とは実際なんであろうか? それは,実際,群集によって嫌われる種類の行為である。それを不正義と呼び,さらにこの概念を中心に入念な倫理体系を築くことによって,群衆は、その嫌悪の対象に罰を加えることにおいて,自己正当化を行なうのである。

Righteousness and unrighteousness must be taken together; it is impossible to stress the one without stressing the other also: Now, what is "unrighteousness" in practice? It is in practice behaviour of a kind disliked by the herd. By calling it unrighteousness, and by arranging an elaborate system of ethics around this conception, the herd justifies itself in wreaking punishment upon the objects of its own dislike,..
Source: Bertrand Russell: Has religion made useful contribution to civilization, 1930
More info.:https://russell-j.com/beginner/0466HRMUC-170.HTM

<寸言>
 「Righteousness」(正義)という言葉(の意味)は人によって理解が異なっている可能性があります。一般的には、次のように理解されていると思われます。従って、キリスト教徒とイスラム教徒とでは、「正義」のとらえ方がかなり異なっている可能性があります。いや、国民性によっても違いがありそうです。宗教を離れて考えると、ラッセルが言うように、(いろいろ理屈をこねても、実際上は)「不正義とは群集によって嫌われる種類の行為である。」と理解したほうがよさそうです。

<「Justice」と「Righteousness」の違い>
「「Justice」は、法的または倫理的な観点からの公正さや正義を指します。法に基づいて行動することや、不正や不法行為に対して罰することが含まれます。司法制度や法の下での公平な処遇も「Justice」の概念に関連しています。
 一方で、「Righteousness」は、倫理的な正しさや道徳的な善としての正義を指します。正直さや道徳的な原則に基づいて行動し、他者に対して善悪の判断を行うことが含まれます。宗教的な文脈では、神聖さや神の意志に従うことも「Righteousness」に関連しています。

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