バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


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 1914年から1918年(注:ラッセルが42歳から46歳)までの第一次世界大戦は,私のあらゆるものを変えてしまった。私は学究的であること(大学人であること)をやめ,新しい性格の本の執筆を始めた。(注:1916年に,Justice in War Time と The Principles of Social Reconstruction を出版。それ以前は,哲学の入門書 The Problems of Philosophy, 1912 以外,一般の人が興味を持ちそうな popular books は書いてこなかった。)人間性についての私の考え(理解)も一変した。ピューリタニズム(清教徒主義)は人間の幸福のためになるものではない,と初めて心から確信するようになった。

The War of 1914-18 changed everything for me. I ceased to be academic and took to writing a new kind of books. I changed my whole conception of human nature. I became for the first time deeply convinced that Puritanism does not make for human happiness.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1:The First War, 1968
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB21-330.HTM

<寸言>
 第一次世界大戦前までは、ラッセルはヨーロッパ文明に誇りを抱いていました。しかし、大戦の勃発により、ヨーロッパ文明に疑問を抱くようになりました。ヨーロッパの優れた文明を世界に広げる必要があると20代は考えていましたが、ボーア戦争(大英帝国と南アフリカのボーア人(オランダ系の開拓者)との間で行われた戦争)をきっかけに、30歳代からは弱者の立場に立って考えるようになりました。そうして、第一次世界大戦はラッセルのそういった考え方を決定づけました。
 ピューリタニズム(清教徒主義)というのは、カトリック教会やイギリス国教会から分離独立して清純な生活を理想とするイギリスの清教徒の思想のことを言いますが、人間性を過度に無視する厳格な生活は、必ずどこかにはけ口(戦争、暴力、弱い者いじめ、その他)を見出すと確信するようになり、それまでのまじめくさった生活から解放されていきました。

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