バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 従って、プロテスタントは(『旧約聖書』の)「預言書」と『新約聖書』の中に既に見られるある一つの見解を復活させることになった。その見解というのは、何が善で、何が悪であるかを、神が各人の良心に(直接)教えるという趣旨のものである。それゆえ、外的な倫理的権威は必要ない、いや、さらに、そのような権威が個人の良心にそむくよう命じる場合には、そういう権威に従うことは罪となる。・・・。
 しかし、それは自らが破壊した古い道徳的根拠に代わる新しい社会的統合のための道徳的根拠をもたらすことに大失敗した(している)。


Protestants were thus led to revive an opinion already to be found in the Prophets and the New Testament, to the effect that God instructs each man's conscience as to what is right and what is wrong. There is therefore no need of an external ethical authority: nay, more, it is sin to obey such an authority when its behests go against the individual conscience. . ... But it has failed disastrously to supply a new moral basis for social coherence in place of the old basis which it has destroyed.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 1
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0117.htm

<寸言>
 よりよいものを提示して古いものを壊すことはよいことでしょうが、まず古いものを壊してから、新しいものの詳細はゆっくり考えようというのでは、以前よりも悪い状態に陥る危険性があります。
 どこかの政党のように「改革」を叫びながら、何を新しく生み出すのかあいまいなままに、古いものをただ壊すだけでは、より悪い状態になる可能性があります。

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