バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 ヘーゲルが プロイセン(プロシア)を賛美したのはいくらか偶然のことであった。(即ち)彼は若い頃には熱烈にナポレオンを称賛し、プロイセン王国に雇われるようになった時に初めてドイツの愛国者になったにすぎない。彼の歴史哲学の最終形態においてさえ、彼は依然として、アレキサンダー大王、シーザー 及びナポレオンを、自らは道徳律の義務を免除されていると考える権利を持つほど偉大な人間であるとして、言及している。彼の哲学が称賛を強いたのは、フランスに対抗するドイツではなく、秩序、体制、規律、及び、強力な国家統制であった。

That Hegel glorified Prussia was something of an accident; in his earlier years he ardently admired Napoleon, and only became a German patriot when he became an employee of the Prussian State. Even in the latest form of his Philosophy of History, he still mentions Alexander, Caesar, and Napoleon as men great enough to have a right to consider themselves exempt from the obligations of the moral law.
 Source: Bertrand Russell: Bertrand Russell: Philosophy and Politics, (1947)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_01_philosophy_and_politics-210.HTM

<寸言>
 「国民は皆平等だと考えるべきである」という命題も、「国家に寄与する人間と寄与しない人間を区別(差別)すべきである」という命題も、即ち、価値に関わる命題は、論理的に証明できません。多くの人が「人間は皆平等だと考えたほうがよい」と考え、そういった意見を政治に繁栄させることができるような仕組みになっていれば、それは実現します。いわゆる民主主義が機能している国や地域ではそれは実現します。

 しかし、独裁国家や、過半数の国民が「国家に寄与する人間と寄与しない人間を区別(差別)すべきである」「法の下の完全な平等はない」と考える「民主主義」国家が存在する場合は、それは実現しません。政府が政府に都合が悪いことを隠し、公文書を改ざんしたり廃棄したりして、国民が誘導されているような国家においては、自分達の「民主主義」ではなく、条件付きで上(国家)与えらた「民主主義」ということになってしまいます。
 政府が国民にほとんどまともな説明をしない(情報を提供しない)日本は、民主主義国家と言えるでしょうか?

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