バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 彼自身(ヘーゲル)の意見によれば、世界が必要とするものを大部分の人間は知っていなかったが、彼はそれを知っていた。(即ち)強力な政府は人々を強制して最も良い結果を得るように行動させる可能性があるが、民主主義は決してそれはできないであろう(とのことである)。 ヘーゲルが深い恩義を感じていたヘラクレイトスは次のように言っている。(即ち)「全ての獣は鞭によって牧草地へと駆り立てられる」。とにかく,我々はその鞭を確保しよう;鞭が牧場に導くかどうかはそれほど重要ではない。当然のこと、「獣(達)」以外には重要ではないけれども。。

In his own opinion, he knew what the world needed, though most men did not; a strong government might compel men to act for the best, which democracy could never do. Heraclitus, to whom Hegel was deeply indebted, .says: “Every beast is driven to the pasture with blows." Let us, in any case, make sure of the blows; whether they lead to a pasture is a matter of minor importance -- except, of course, to the "beasts."
 Source: Bertrand Russell: Bertrand Russell: Philosophy and Politics, (1947)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_01_philosophy_and_politics-210.HTM

<寸言>
 いわゆる、「由らしむべし知らしむべからず」(人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい)の精神です。国民の多くは不確かな情報に左右される「衆愚」だと考える為政者は、できるだけ自分達(政府)に都合の悪い情報は隠し、改ざんし、廃棄します。

 第二次世界大戦で敗戦が決まった時、日本政府は、全ての市町村に戦争に関係する資料を「全て」廃棄するよう指示しました。先日の、NHK特集でも報じられていましたが、幸いなことに、一部の市町村では、政府の指示に従わずに資料を残しているところがありました。そうして、戦時中の少年志願兵は(自主的な)「志願」というよりは「志願」を誘導されていたことが判明しました。即ち、各学校に一定数の少年志願兵を確保するように各校長に政府から指示・命令がでていたことが「公文書」によって明らかになりました。
 戦況が悪化し、日本が敗退し始めても、国民がどんなに犠牲をはらっても国体を維持する方針は変わりませんでした。「天皇陛下万歳!」をさけんで多くの少年兵や学徒が戦場に散っていった映像(米軍の従軍記者が撮影していたなまなましい映像)を、きっと現在の天皇や皇族達も見ているでしょうから、軍部(特に陸軍)に「あやつられた」側面はあるにしても、いたたまれない気持ちになるだろうと思われます。

 一度決めた方針は、国民から多くの批判をあびても、「法律で決まったことですから・・・」と平然と答える河野太郎氏は、戦中の指導者とかわらないように見えてしまいます。

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