バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 我々のこの惑星(地球)は、- 哲学者達は偏狭かつ過度の関心をよせがちであるが - かつては熱すぎて生命を維持することはできず、そうして、いずれ冷えすぎてしまうであろう。地球が罪のない三葉虫や蝶々を生み出した時代の後、進化は進み、幾人ものネロや幾人ものジンギス・カンや幾人ものヒトラーのような(残酷な)人達を生み出すところまできた。けれども、これも過ぎゆく(つかの間の)悪夢である。やがて地球は再び生命を維持することがことができなくなり、平和が戻ってくるであろう。

Our own planet, in which philosophers are apt to take a parochial and excessive interest, was once too hot to support life, and will in time be too cold. After ages during which the earth produced harmless trilobites and butterflies, evolution progressed to the point at which it generated Neros, Jenghis Khans, and Hitlers. This, however, is a passing nightmare; in time the earth will become again incapable of supporting life, and peace will return.
 Source: Bertrand Russell: Philosophy and Politics, (1947)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_01_philosophy_and_politics-140.HTM

<寸言>
 私達人間は百年足らずの命ですので、地球の誕生から死滅(赤色巨星となってついには大爆発)にいたるまでの話を持ち出されても、ほとんど慰めにはなりません。しかし、権力をふりかざす者に罰を与えることができずに地団駄踏んでも、彼らだって永遠の命をもっているのではなくいずれ死んでしまうのだと思えば、少しは慰めになるかも知れません。
 それに宇宙は広大なので、人間以上の高等生命が存在する可能性は(確率は極めて低くても、数としては)けっこうありそうです。我々の銀河系宇宙には数千億の恒星(太陽のように自分で輝いている星)があり、また、この宇宙には数千億の銀河があると言われています。つまり、人間のような高等生命が存在する確率が1000億分の一だとしても、この宇宙には地球に似た(高等生命が住める)数千億の惑星があることになります。
 もちろんそういった地球外の高等生命に遭遇する確率はほとんどゼロでしょうが、人間の倫理だけが重要かつ正しいということはにならないという視点や想像力は必要です。

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