ラッセル英単語・熟語1500 |
哲学には、世界を理解しようとする試みとは別に、果たすべき他の役割/機能がある。(即ち)哲学は、宇宙的な叙事詩を構築することによって想像力を拡張することができるし、無反省な人の生き方よりも、気まぐれでも偶発的でもない生き方を示唆することができる。このような任務(仕事)を果たそうとする哲学者は、知的な正しさではなく、美的あるいは倫理的な価値基準によって判断されなければならない。
Apart from the attempt to understand the world, philosophy has other functions to fulfill. It can enlarge the imagination by the construction of a cosmic epic, or it can suggest a way of life less wayward and accidental than that of the unreflective. A philosopher who attempts either of these tasks must be judged by a standard of values, aesthetic or ethical, rather than by intellectual correctness.
Source: The Philosophy of Santayana, 1940.
In: The Philosophy of George Santayana, ed. by P. A. Schilpp(Evanston & Chicago, Northwestern Univ., 1940), p.453-474.
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<寸言>
これは、P. A. Schilpp 編の『サンタヤーナの哲学』(1940年)に寄稿した論文の中の一節です。サンタヤーナはスペイン出身の哲学者で一時期、ハーバード大学の哲学教授を務めていたことがあります。サンタヤーナはラッセルの兄フランク(仏教の研究者で第二代ラッセル伯爵)の親友であり、『ラッセル自伝』に次のように書かれています。
「サンタヤーナ教授は,私の兄と強い友情で結ばれており,私も1893年以来の知り合いであった。私は彼と見解を異にすることも少なくなかったが,(その意見の不一致の量と)同程度に,彼を賞賛した。」(『ラッセル自伝』第1巻)
https://russell-j.com/beginner/AB17-140.HTM
ところで、ラッセルを「理性の奴隷」と表現して批判する人がいますが、非常に一面的です。
そのように批判する人も理性を否定はしないでしょうが、自分の理性がちょうどバランスがとれていると思っている人が少なくないようです(笑)。
ラッセルが自著の『西洋哲学史』の一章を「スピノザ」にあててスピノザを称賛しているのも、ラッセルが「理性の奴隷」ではないことをよく表しています。
参考:Peter McGrath(著)「理性の奴隷-ラッセル」
『Newsweek 日本版』(TBSブリタニカ)1993年12月15日号pp.47-48.
https://russell-j.com/cool/MOOREHD.HTM
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell