バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 地方分権(化)の利点の一つは、個人に,希望及び希望を具現化する個々人の活動のための新しい機会を提供することである。もし私達の政治的思考の全てが世界の大惨事についての広大な問題と危険に関係しているなら、絶望するのは容易である。あなたがごく少数の権力者でないならば、これらの大きな問題について大したことはできないと感じやすい。しかし、小さな問題 -たとえば町や労働組や政党の地方支部に関する問題- については、影響力の発揮が期待できる。これは希望に満ちた精神を生み出すであろうし、希望に満ちた精神は、より大きな問題にうまく対処する方法を見つけるためには、最も必要なものである。

One of the advantages to be gained from decentralisation is that it provides new opportunities for hopefulness and for individual activities that embody hopes. If our political thoughts are all concerned with vast problems and dangers of world catastrophe, it is easy to become despairing. ... Unless you are one of a very small number of powerful individuals, you are likely to feel that you cannot do much about these great issues. But in relation to smaller problems - those of your town, or your trade union, or the local branch of your political party, for example - you can hope to have a successful influence. This will engender a hopeful spirit, and a hopeful spirit is what is most needed if a way is to be found of dealing successfully with the larger problems.
 Source: Authority and the Individual, 1949
 More info.: https://russell-j.com/beginner/LOCALIZE.HTM

<寸言>
 これは、(1948年12月26日から開始された)ラッセルによるBBCの第1回リース記念講演(Authority and the Individuals/6回の連続講演/出版は1949年5月)の最終回(第6回目)のスピーチからとったものです。
 多くの人が政治や経済の大きな問題については自分の無力を実感しますが、地方分権化の推進によって一人ひとりの市民が直接関与できることを増やしていって、そういった無力感を減らしていく必要があるとの主張です。
 そのためには、地元への利益誘導をさけぶ政治家には投票せず、国全体のことを考える知性的かつ真面目な候補者を国会に送るようにし、それ以外は地方分権化を進めることによって一人ひとりの個人が政治に参画できる(影響力をもてる)ようにすることが重要というわけです。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell