バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 米国では,学部のときは怠けていた学生が法学や医学の大学院では一生懸命勉強するということがわかる。それはなぜかと言えば,ようやく彼らは自分にとって重要だと思われる勉強をしているからである。これこそこの問題の本質である。即ち,学校の勉強を生徒達にとって重要なものに思われるようしよう。そうすれば,彼らは一生けんめいに勉強するだろう。しかし,もし勉強を容易なものにしすぎるならば,彼らはほとんど本能的に自分達は本当に身につけるだけの価値のあるものを教えられていないのだということを悟るだろう。利口な少年少女は難問で頭を試すことを好む。上手に教え,恐怖を取り除いてあげるならば,いまは愚かで無気力に見える非常に多くの少年少女もやがて利口になるだろう。


One finds in America that men who were idle as undergraduates work hard in the law school or the medical school, because at last they are doing work which strikes them as important. That is the essence of the matter : make the school work seem important to the pupils, and they will work hard. But if you make the work too easy, they will know, almost by instinct, that you are not giving them what is really worth having. Clever boys and girls like to test their minds on difficulties. With good teaching and the elimination of fear, very many boys and girls would be clever who now seem stupid and lethargic.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926
 More info.: https://russell-j.com/beginner/OE16-030.HTM

<寸言>
 余り興味を持てないことを嫌々勉強することの非効率性、非経済性は多くの人(生徒も教師も)が理解しています。
 授業は多少難しくても、興味深いものであり、段階をおっていけば多くの生徒が理解できるものでなければなりません。しかし、受験(大学受験や高校受験)の影響で、そんなことを言ってられないと、できない生徒を切り捨てにしている学校や教師も少なくなさそうです。
 対面授業は一番理解力のない生徒に合わせて進めることはできないので、オンライン教材を豊富にして、授業以外で学べる機会を十分に提供する必要があります。
 しかし、日本では、政府の重要政策の一つとしてデジタル化が叫ばれているにもかかわらず、デジタル教材の開発が進まず、生徒に配られるタブレットやPCも性能が余りよくなく魅力的なものではないものが多いように思われます。困ったことに、日本の教育予算は先進7カ国の中で最低です。教育の無償化をずっと主張し続けている維新の会の知的レベルが低そうに見えてしまうのは、パラドクスでしょうか、ジレンマでしょうか? 文科省の官僚や文教族の政治家の頭の硬さや教養レベルの低さも阻害要因の一つのようです。彼らは「知識」はいっぱい持っているので、そういった自覚はないでしょうが・・・。

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