バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

 けれども,手段として権力を望むことと権力それ自体を目的として望むこととでは大きな相違がある。手段として権力を望む人は,最初に何らかの他の欲求をもっており,それから次にその欲求を達成することができる地位に自分がいたらよいのにと願うようになる。(これに対し)権力自体を目的として欲する人は,権力を獲得する可能性によって目標を選択するであろう。政治においては,たとえば,ある者は,若干の法案が制定されることを願い,そうして公共の問題に関与するようになる。一方,別の者は,ただ個人的な成功だけを願い,どんな計画であろうと,この目的(権力獲得)を達成してくれそうな計画を採用する。


There is, however, a great difference between power desired as a means and power desired as an end in itself. The man who desires power as a means has first some other desire, and is then led to wish that he were in a position to achieve it. The man who desires power as an end will choose his objective by the possibility of securing it. In politics, for example, one man wishes to see certain measures enacted, and is thus led to take part in public affairs, while another man, wishing only for personal success, adopts whatever programme seems most likely to lead to this result.
 Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
 More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER17_020.HTM

<寸言>
 「権力それ自体を目的として望んでいる」のにそうではない(例:"国民"が豊かに平和に暮らせるように努力している)と"自己欺瞞"に陥っている政治家はけっこういます。"自己欺瞞"に陥っているので、そのことを意識することはほとんどないかも知れないですが・・・。
 昨日、毎日新聞の大場弘行氏の署名記事「米国に問いたい 自国軍の不誠実な振る舞いを許せるのか」を読み、なぜこういうことを政治家(今回の参議院選挙の候補者など)に回答を求めないのか(どうしてNHKなどはほとんど報道しないのか)と、多くの人が"自己欺瞞"に陥っていることに気づいていないのではないかと思いました。お読みになりたい方は、下記をご覧ください。最初のところだけ引用しておきます。
 https://mainichi.jp/articles/20220623/k00/00m/040/358000c

「在日米軍のヘリコプターが日本の首都・東京の中心地で異常な低空飛行を繰り返している。大勢の人が行き交うターミナル駅の真上を通過し、高層ビルの間をすり抜ける。日本のヘリであれば違法となる高度で飛びながら、説明責任を何も果たしていない。私は米国民に問いたい。ワシントンやニューヨークで、日本の自衛隊のヘリに同じことをされたら黙っていられるのか、と。・・・」
 残念ながら、与党の政治家で、まともに問題視している人はほとんどいません。墜落事故などが起きて初めてさわぎだすのでしょうが・・・。

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