バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
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ラッセル英単語・熟語1500

 六世紀に生きたボエティウス(Boethius, 480-524?: イタリアの哲学者,政治家)以来,哲学が与える慰めについて語るのが通例であったが,私自身は,哲学よりももっと多くの慰めを歴史研究から得ている。子供は自分が不幸な間は,彼の視界全体が現在の悲惨事で一杯になり,自分の過去と未来の人生は霧にかすんでしまう。(しかし)我々は,成人するにつれて,(たとえば)歯が痛くなってもそれは永久に続かないという経験を思い出すことができるようになる。我々は,自分の過去の経験から引き出すこの種の慰めと同種のものを,もっと大規模に人類の過去の歴史から引き出すことができる。今日の世界の状態はかなり悪いため,歴史の知識のない人間は,過去にこれほど酷い状態にあった時代はなかっただろう思いがちである。

Ever since the time of Boethius in the 6th century it has been customary to speak of the consolations of philoshophy, but for my part I find more consolation to be derived from the study of history. When a child is unhappy, his whole horison is bounded by his misery, and the earlier and later times of his own life become dim. As we grow older we become able to remember when we have the toothache that it will not last for ever. The same kind of comfort which we thus derive from our own past experience can be derived in even greater measure from the past history of mankind. The world is in a bad way at present, and those who know no history are inclined to suppose that it has never been in such a state before.
Source: Bertrand Russell : Mortals and Others, v.1, 1975
 More info.: https://russell-j.com/REK-NAGU.HTM

<寸言>
 歴史を振り返って慰めを得てもそれは"一時的な"慰めにすぎません。しかし、過去の歴史を振り返ること(知ることに)により、現在起こっている事態をより客観的に「知る」ことが可能となります。また、歴史を知らないと適切な「対処」ができない場合が少なくありません。

「愚かな過ちを二度と繰り返しません」と連呼しても、自分や自分に親しい人達にふりかかった不幸についてはよく理解していても、自分にあまり関係ない人や他国や多民族に降り掛かった多くの不幸に無知であれば、「適切な」対処などできない可能性大です。

 哲学は真理探究が主目的ですので、探究によって知り得た真理は人間にとって心地よいものである保証はありません。従って、「慰めを得るために」哲学研究を行うことはあまり賢い行為ではないということになります。

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