バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 他の動物にとってと同様,人類にとって困難な主要課題は,新しい環境への適応である。人類(出現)以前の時代の巨大な爬虫類は,ほとんど無敵と思われたが,気候変動のために絶滅した。無数の種類の動物があまりに多くの角をはやすなど,攻撃用武器を異常に発達させた結果,日常生活のための活動力が減少し,絶滅した。・・・。
 普遍的繁栄の条件は極めて単純で周知のことであるが,それには我々のものの感じ方の習慣の変更が必要である。

The chief difficulty for men, as for other animals, is adaptation to new circumstances. The great reptiles of the days before men, who might have seemed invincible, perished from a change of climate. Innumerable kinds of animals have become extinct through specialising on weapons of offence, such as too many horns, which left them inadequate energy for ordinary living. ...
The conditions of universal prosperity are quite simple and well known, but they involve changes in our habits of feeling, and ...
Source: Bertrand Russell : Mortals and Others, v.1, 1975
 More info.: https://russell-j.com/PROGRESS.HTM

<寸言>
 「新しい」気候環境に対しては,人類は20世紀まではもっぱら「受ける/合わせる」だけの立場でした。現在人類は、地球規模の新しい気候環境形成に「寄与」しており、気候変動の原因の一端を担うほど「成長」(影響力が拡大)しました。「天に唾する報い」を受けることになるか、それとも「新しい」試練を克服し、地球を「人間にとって」より住やすいものにすることができるか、後30年以内に結論が出てきそうです。

 地球は温暖化と寒冷化を繰り返しており、長い目で見れば、現在の二酸化炭素(CO2)の増加はそれほど温暖化を促進していないという「温暖化」否定論者もそこそこいます。それが仮にあたっているとしても、急激な気候変動は多くの人に被害をもたらし、気候変動にうまく対処できなければ、多くの人(特に弱者)が被害を受けることになります。

 「新しい」環境といっても気候変動だけではありません。世界には1万発以上の核兵器が存在しています。安全保障環境の変化により、核の脅威に対処するためには、日本も核兵器を持つ必要があるとか、「核(兵器)共有(核シェアリング)」が必要だと言い出す政治家(安倍元総理他)も出てきました。

 米国では、銃による事故や犯罪等で年間4万人くらいが亡くなっています。しかし、米国では,(憲法によって保証されている)「個人が銃を保有する権利」を奪ってはいけないと考えている人がかなりいます。学校における銃乱射事件が起こる度に問題にはなりますが、特に共和党の支持者が多い州においては、銃の保持の原則禁止の声は余り高まりません。トランプ元大統領(全米ライフル協会から多額の政治献金を受領)などは、全米ライフル協会の総会などで銃擁護の演説を毎年しています。今年の総会では、教師も銃を持つようにするとよいと言い出す始末です。

 日本ではアメリカのような銃社会が良いと想う人はほとんどおらず、日本の保守層でさえ、銃の保持は「アメリカ社会の大きな問題だ」と主張しています。しかし、その国際版・世界版である核兵器保持については、アメリカにおける銃保持の必要性と同じ考え方をする人が少なくありません。核兵器がまた「身近な」地域や国において使用されない限り、核廃絶の必要性を実感する人は増えそうにありません。日本から「遠い」ウクライナでロシアが使用しても、安倍元総理などは「だから日本も抑止力のために核兵器を持つべきだと言ってきたんだ」と開き直る可能性大です。

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