バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 政治の組織においては,政治家は,単に自分の給料を最大限にすることだけを目指すのではなく,公共の為になること(公共の善)も目指すものと考えられている。この口実(見せかけ)は専制政治のもとにおいてさえも推持されている。これが,実業(の世界)よりも政治(の世界)において,より偽善が多い理由である。しかし,民主主義と社会主義的な批判との両方の影響のもと,多くの重要な産業界の大物は,政治的なぺてん(ごまかし)の術を身につけ,公共の善(の実現)は自分達が財産を作る動機であるというふりをすることを学んできている。これは政治と経済との融合化への現代の傾向の一例である。


In political organizations, the politicians are supposed to be aiming at the public good, not only at maximizing their own salaries; this pretence is kept up even under despotisms. This is why there is more hypocrisy in politics than in business. But under the combined influence of democracy and socialistic criticism, many important industrial magnates have acquired the art of political humbug, and have learnt to pretend that the public good is their motive for making a fortune. This is another example of the modern tendency to the coalescence of politics and economics.
Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
 More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER12_280.HTM

<寸言>
 蓄財は考えず、不正な政治献金も受け取らず、もっぱら政治的理想の実現をめざすという政治家もいますが少数派です。選挙活動などでお金を使い果たし、財産を築けなかった政治家も少なくないでしょうが、権力をいったん握れば、いろいろな権限や利権も得ることができるので、自然とお金や様々な役得を手に入れることができます。
 他方、経済界の大物も、有力な政治家と結びつくことによって、いろいろな利便や利権を手にいれることができ、ウィンウィンの関係を築くことができます。より野心の強い人は、自分自身だけでなく、子や孫を政財界の有力者と婚姻させ、「閨閥」によってより大きな権力を得ようとさえします。TVドラマ等でも時々再現されますが・・・。

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