バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 本当の天才は常に謙虚であるという馬鹿げたことを急に言い出した人がいたが,これは事実とは正反対である。能力のある若者でも,彼がもしも謙虚な性格なら,親や友人に嘲笑されて抑えつけられるだろう。なぜなら,才能があることを自負しても,それが実際に証明されるまでは,世間は嘲笑するからである。
 若者にとって最も望ましいのは,誰もが将来偉業を果たしうると考えられるような環境のもとに,またその結果,自信を抱いてもねたみから生じる嘲笑を受けないような環境のもとに生活することである。
 ・・・。即ち,若者が生み出しうる最高のものを社会が期待すれば,最高の結果が生まれるであろう。また,社会からの期待が少なければ,残念ながら,それだけの結果しか生れないだろう。

Some silly person started the notion that true genius is always modest. This is the opposite of the truth; a youth, even if he has capacity, will, if he is modest, be kept under by the mockery of parents and companions - for the pretensions of genius are considered laughable until they are verified.
 The best hope for the young is that they should live in an atmosphere where everybody is thought capable of great deeds and where, consequently, their pretensions do not arouse the ridicule that springs from envy.
... Expect of the young the very best of which they are capable, and you will get it. Expect less, and it is only too likely that you will get no more than you expect.
Source: Mortals and Others, v.1, 1975
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<寸言>
「天才」とか、「知の巨人」とかいう言葉が頻繁に使われますが、私は違和感をもつ場合がけっこうあります。みなさんはいかがでしょうか? 「本当の天才は謙虚である」という言い方も非常に違和感があります。【Google で「天才は謙虚(Genius is modest) で検索すると、日本語で200万件以上、英語で2,000万件以上の検索結果があり、 Google のお墨付です!!(笑)】

 (「天才」と誰もが認める)エジソンの言葉として引用されるものに「「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」というのがあります。エジソンの努力は大変なものであったことは誰もが同意するでしょうが、とても「謙虚であった」とは言えません。最近では、「エジソンの言葉の真意は『1%のひらめきがなければ99%の努力は無駄になる』というのがエジソンの真意だったという説が有力のようですが、その真偽は好事家におまかせします。ここで重要なのは、エジソンは大変な自信家であり、とても謙虚だったとは言えないということです。
 ラッセルが亡くなった日の翌日の Times 紙(ロンドン)だったと記憶していますが、「ラッセルは何百年かに一人しか生まれない「知の巨人だ」と讃えました。しかし、最近の日本では「知の巨人」という言葉が多用されており、日本には現在、50人くらいの「知の巨人」がいるようです。

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