ラッセル英単語・熟語1500 |
やや年上の少年少女は,常に(子供の)野心に対する非常に効果的な刺激であり続け,また,もし(年上の者が)親切であるならば,(その少し年上の者が)困難に打ち勝った最近の思い出に基づいて,大人よりもうまくいろいろな困難を説明することもできる。私は,大学時代においてさえ,自分より2,3歳年上の先輩から多くのことを学んだが,それは,重々しく尊敬すべきお歴々(注:signors イタリア語のシニュールからきている)からは学ぶことができなかったものであった。
A slightly older boy or girl remains always a very effective stimulus to ambition, and, if kind, can explain difficulties better than an adult, from the recent recollection of overcoming them. Even at the university I learnt much from people a few years senior to me which I could not have learnt from grave and reverend signors.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926
More info.: https://russell-j.com/beginner/CHILD-F.HTM
<寸言>
特に補足説明は不要と思われます。
牧野力(編)『ラッセル思想辞典』(早稲田大学出版部)の中の要旨訳「子供と友達」を以下転載しておきます。
「長男より次男の方が発話も歩行も早い。三歳児は一歳児によい手本を示す。三歳児の示す動作は二歳児がやって見たくなるもので、大人の動作よりまねやすい。
子供の野心は他の子によって刺激される。家庭こそ、子供が年上の兄や姉から教育の機会を与えられる場所である。小家族(核家族等)では、保育園か幼稚園でよい手本が補充されない限り、色々の点で子供に不利である。
子供は大人ではありえないような服従関係を、兄や姉に対してもつ。子供には、どんな事でもその場で具体的に示すべきで、抽象的な道徳的な説教は愚かで、時間の浪費である。 四歳以上になると、同年の子供同士の遊びは、年上との交際に劣らず学ぶ所が多い。長じてからの好ましい社会的習慣である、自由な競争、平等な協力、暴君意識なしの自尊心、奴隷根性でない他人への配慮、自発的活動の自由等は、この同年齢の友との遊びから生れるのである。」
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell