ラッセル英単語・熟語1500 |
【チェコスロバキアの出版社(雑誌社)からの4つの質問のなかの2番目の質問:「全世界の人々はお互いに理解しあうべきなのにそうしません。その主な理由は何だとお考えですか?」】
ラッセルの回答:「2つの理由があると思います。一つは言葉の相違であり、もう一つは教育でナショナリズム(国家主義)を強調することです。教育の影響を受けていない年頃の子供は、他国の同年代の子供とすぐ仲良くなれます。彼らは互いに相手の言葉を容易にお覚えます。そうして、お互い異なっていることがショックを与えるよりも、珍しさや面白さに動かされます。若い内に他の国の人々と接触させることが国家的な障壁を打ち破る最良の道と私は考えます。」
I think there are two chief reason why people of different countries do not get on with each other. One is difference of language, and the other is the emphasis on nationalism in education. The very young, before they have been subjected to the influence of education have much less difficulty in gettig on with people of their own age from another country. They learn each other's languages easily and find the differences amusing rather than shocking. I think that contact with people of other countries in youth is the best way of breaking down national barriers.
Source: Dear Bertrand Russell, 1969.
More info.: https://russell-j.com/beginner/K-KOURYU.HTM
<寸言>
何も特別なことを言っていません。多くの人がラッセルの意見に同感すると思われますが、実際は、どの国の国民も愛国心教育(自国中心の歴史教育)によって、大人になるまでに、他国に対する偏見や自国に対するうぬぼれをやすやすと身につけてしまいます。
それを防ぎ、相互理解を進するためには、大人になる前に(就職する前に)、高校生や大学生の時に、他国(複数)に「留学してみる」あるいは「暮らしてみる」のが一番良いという主張です。
最近の大学では、1年間、交換留学させるところが増えてきています。早稲田は国際教養学部を設置するとともに学生を1年間海外留学させる方針をとっており、我々の学生時代とはかなり変わりました。慶應は国際化で早稲田に遅れをとっていますが、早稲田にはない医学部や薬学部があるという誇りをもっており、まだあまり危機感を抱いていないようです?
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell