バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 国家には、単に市民の福祉の手段としてだけでなく、国家自体の美点がある、と考えている哲学者や政治家がいる。この見解に同意する理由は全くない。「国家」とは抽象されたもので、快も苦も希望も感じえない。そして、国家の目的であると人々が考えているものは、実は、国家を操るその支配者個人の目的である。もっと具体的に考えて見れば、国家ではなくて、普通一般の人間以上に権力を握っている人々が考える目的である。「国家」礼賛は、現実には少数支配者とその取巻き連中が行う、彼らに好都合なように国家を操る目的で行う礼賛である。真の民主主義から考えて、根本的にこれほど不正でまやかしの説はない。

There are some among philosophers and statesmen who think. that the State can have an excellence of its own, and not merely as a means to the welfare of the citizens. I cannot see any reason to agree with this view. 'The State' is an abstraction; it does not feel pleasure or pain, it has no hopes or fears, and what we think of as its purposes are really the purposes of individuals who direct it. When we think concretely, not abstractly, we find, in place of the State, certain people who have more power than falls to the share of most men. And so glorification of the State' turns out to be, in fact, glorification of a governing minority. No democrat can tolerate such a fundamentally unjust theory.
 Source: Authoriti and the Individual, 1949, chap.6
 More info.: https://russell-j.com/beginner/KOKKA.HTM

<寸言>
 ビジネス右翼、ビジネス愛国者、ビジネス左翼だけでなく、政治自体をビジネスと考えるビジネス政治家がたくさんいるようです。どのような主張をするかは、ビジネスですので、その時々で変わっていきます。
 いや、そういった言い方は単純化しすぎのようです。政治は利益(お金)を得るためだけではありません。大きな権力を得て、権力をふるうこと自体が快感です。大物政治家になれば、権力だけでなく、叙勲もされ、栄光も手に入れることができます。従って、政治家はライフワークとして十分なものです。二世、三世の世襲政治家にとって、より大きな権力を得るための努力は苦にならず、自分を騙して愛国者を演じることも朝飯前です。「私は国民の命を守り、日本を守る守君です。安倍守と改名したいほどです」といったところでしょうか?

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