バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 けれども,訪問客との'出会い'のなかには奇妙なものもいくつかあった。(たとえば)お茶に来たいと言っていたアメリカのある紳士が,アメリカのマッカーシー(注: Joseph Raymond McCarthy, 1908年-1957年:アメリカ共和党上院議員で,'マッカーシズム'(赤狩り・マッカーシ旋風)で有名)の愛人を連れて現われ,彼女はマッカーシーの美徳を激賞した。私は怒った。

Some of the encounters with visitors, however, were odd. One gentleman from America who had suggested coming to tea, turned up accompanied by a mistress of the American McCarthy whose virtues she extolled. I was angry.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB32-100.HTM

<寸言>
 某アメリカ人が「お茶しに来た」のは、ラッセルが長男夫婦と同居するために借りたリッチモンドの4階建ての家だろうと思われます。しかし、その某アメリカ人がレッドパージ(赤狩り)で有名なマッカーシの愛人を連れてきたというのはどういった趣旨だったのでしょうか?(また、添付画像のマッカーシの妻は、夫の愛人について知っていたのでしょうか?)
 レッドパージ(赤狩り)のようなやり方で思想統制したり、「赤」のレッテルを貼って議会などから左翼系議員を追放したり、有名人(影響力の大きい人)を国外追放したりするようなやり方を、ラッセルは容認しないだろうということも理解せず、反共主義者のラッセルなら快く迎えてくれるだろうと思ったのでしょうか?
 ちなみに、当時俳優だったロナルド・レーガンが「赤狩り」に協力したのはよく知られている事実です。他に、R.ニクソンやウォルト・ディズニーも有名です。また、ロンドン講演を終えて米国に戻ろうとしたチャップリンも「赤狩り」の犠牲になって戻れなかったことも記憶に留めておくべき事実です。

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