バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 1952年の春、私達(ラッセルとエディス)はギリシアを訪ずれ、アテネにしばらく滞在し、その後10日間ほどペロポネソス半島をドライブした。・・・。
・・・。その時私は、キリスト教の物の見方が、自分が以前想像していたよりももっと強い影響力を自分に及ぼしているということを実感した。影響したといってもそれは、信仰上ではなく、私の感情に対してであった。ギリシア人が現代世界(の人々)と異なっているのは、主として罪の観念の欠如であるように思われた。また私は、自分自身、信念の上ではないが、感情の上で、この罪の観念によって強く影響されていることを驚きを持って実感した。

In the spring of fifty-two we (Russell and Edith) visited Greece where we spent some time in Athens and then ten days or so driving through the Peloponesus.... ... I realised then that the Christian outlook had a firmer hold upon me than I had imagined. The hold was not upon my beliefs, but upon my feelings. It seemed to me that where the Greeks differed from the modern world it was chiefly through the absence of a sense of sin, and I realised with some astonishment that I, myself, am powerfully affected by this sense in my feelings though not in my beliefs.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB32-050.HTM

<寸言>
 ラッセルとエディスが結婚式をあげたのは1952年12月(ラッセル80歳)ですので、一応、婚前旅行ということになります。
 ラッセルは世界中を旅行しており、最も頻繁に訪れた外国はイタリア(最も長期間滞在したのはアメリカ)と思われますが、イタリアのお隣の国のギリシアへ行ったのは、意外にも、この時が最初だった、と自伝で述べています。

 それはさておき、ラッセルはキリスト教の批判者として有名ですが、幼い時はキリスト教が生活に浸透していました。想定外なことに、80歳になってはじめて、自分(ラッセル)に対するキリスト教の感情面での影響の大きさに驚いています。それだけ、子供時代の躾や生活で身につけたものはその人に深く染み付き、生涯影響を与えるということです。従って、思考においては冷静かつ合理的であっても、感情面においては子ども時代に身に着けたものの影響をふりはらうことがとても難しいということになります。それだけ幼児期における情操教育は重要だとも言えます。

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