バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 ある朝,私達(ラッセルとエディス)が,キュー・ガーデンを散策していた時,二人の人間がベンチに腰をかけているのを見かけた。はるか彼方だったので,ごく小柄な人物に見えた。突然そのうちの一人が飛び上り,私達の方へ駆けて来た。そして私達のところに着くと,ひざまずいて私の手にキスをした。私は怖くなり,また非常に当惑し,何を言ったらいいのか,どうしたらいいのか,何も考えつくことができなかった。しかし,彼の感激ぶりに,エディス同様,私もまた感動させられた。エディスはやや平静にもどり,彼が英国に住んでいるドイツ人で,何かで私に感謝している人間であることがわかった。(ただし)何に感謝していたのかは,結局私達にはまったくわからなかった。

As we were strolling in Kew Gardens one morning, we saw two people sitting on a bench, so far away that they seemed tiny figures. Suddenly, one of them jumped up and ran fast towards us and, when he reached us, fell to his knees and kissed my hand. I was horrified, and so abashed that I could think of nothing whatsoever to say or do; but I was touched, too, by his emotion, as was Edith, who pulled herself together enough to learn that he was a German, living in England, and was grateful to me for something; we never knew for what.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB32-020.HTM

<寸言>
 ラッセルは小さいときから、ドイツ語、フランス語、イタリア語がしゃべれたと自伝のなかで言っていますので、そのドイツ人がはっきり言わなかった(感激のあまり言葉があまり出てこなかった)と思われます。
 キュー・ガーデンは世界最古の植物園(世界遺産)で有名ですが、私は写真や本でしか知りません。
「私達(ラッセルとエディス)が,キュー・ガーデンを散策していた時,二人の人間がベンチに腰をかけているのを見かけた」と書かれていますので、園内のどこだろうと、ネットでキューガーデンの写真をいろいろみたところ、キュー・ガーデンの中心施設である Palm House(パーム・ハウス/大きなヤシ palm が植えられているのでそう言うのでしょうか?)前のベンチしか見つけられませんでした。多分、パーム・ハウスの前のベンチからかけつけてきたのではないかと想像されます。(なお、ラッセルは当時、ロンドン郊外のリッチモンドに住んでいましたので、キュー・ガーデンはすぐ近くのはずです。)

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