バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 1949年の初め頃までに,今度は私が'体制側の人々'の眼に尊敬すべき人間と映るようになったので,私もまたメリット勲章を授与されるべきであると思われるようになった。・・・
 私は,その授与式典に臨むためにバッキンガム宮殿に赴かなければならなかった(注:叙勲日は1949年6月9日)。国王(注:ジョージ6世(1936年-1952年)はジョージ5世の次男)は愛想がよかった。しかし,私のように一風変わった,おまけにかつて投獄された人間に対して丁重に振舞わなければならないのでいささか困惑の様子であった。国王はこう言われた。「あなたは,時々,一般の慣例には従われない行いをなさって来られたのですね。」(それを聞き)私は,それ以来ずっと、その時頭に浮かんだ「はい。ちょうど陛下のお兄様(注:エドワード8世)のように!」という返事をしなくてよかったと思っている。

Now, by the early part of 1949, I had become so respectable in the eyes of the Establishment that it was felt that I, too, should be given the OM. ...
I had to go to Buckingham Palace for the official bestowal of it. The King was affable, but somewhat embarrassed at having to behave graciously to so queer a fellow, a convict to boot. He remarked, 'You have sometimes behaved in a way which would not do if generally adopted'. I have been glad ever since that I did not make the reply that sprang to my mind: 'Like your brother.'
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB31-170.HTM

<寸言>
 メリット勲章は「軍事での功績または科学、芸術、文学等の文化の振興、若しくは公共の福祉へ貢献」に対して与えられるものですが、定員が24名と決まっているために、欠員(大部分は過去の授与者の死亡)がでないと授与されません。従って、日本の文化勲章よりもずっと名誉なものです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E5%8B%B2%E7%AB%A0 (ウィキペディアの説明)
 それから、ジョージ6世(ラッセルにメリット勲章を授与)の兄というのは、みなさん聞かれたことがあると思われますが、王位を捨てて(離婚歴のある)アメリカ人女性シンプソンと結婚したエドワード8世のことです。
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