バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 帰国後の生活は,以前と同様,公的および私的のさまざまの出来事の混じったものであったが,私的な部分の方がますます重要なものとなった。そうして,私は,ずっと以前に済んでしまった私的あるいは公的な出来事と,今なお続いていてそのまっただ中に自分が生きている出来事とを,同列に語ることはできないということに気づいている。そのことがもたらす取り扱い方(語り方)の違いに,読者のなかには驚かれる方もいるかもしれない。私としては,読者が,取り扱い方(語り方)が多様になることは避けられないことを理解していただき,「文書による名誉棄損」の法律のために,やむをえず口が重くなるのも仕方がないと認めてくれることを望むことしかできないのである。

My life in England, as before, was a mixture of public and private events, but the private part became increasingly important. I have found that it is not possible to relate in the same manner private and public events or happenings long since finished and those that are still continuing and in the midst of which I live. Some readers may be surprised by the changes of manner which this entails. I can only hope that the reader will realise the inevitability of diversification and appreciate the unavoidable reticences necessitated by the law of libel.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3, preface
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB30-PREF.HTM

<寸言>
 公的なことや学問的なことははっきりした物言いができますが、私的なことや特定の個人に関係した事柄は、関係者が存命の時は特に、配慮した物言いが必要となります。
 はっきりした物言いをすることによって、関係者にどのような影響を与えるかわからない読者から見れば、どうしてもっとはっきり書かないのかと思うかもしれませんが、それはいたしかたのないことです。
 しかし、ラッセルが亡くなり、ラッセルの関係者も亡くなれば、ラッセルが口を濁したことの背景やラッセルが言いたくて言えなかったのは何かということがわかってきます。そうして、ラッセルは自伝でこんなにいろいろなことを告白しているが、こんな事情があったのかと驚くことも少なくありません。
 いずれにせよ、「論語読みの論語知らず」にならないように注意したいものです。
 
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#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell