 ラッセル英単語・熟語1500 |
一般相対性理論（注：アインシュタインが1915年に発表）は,当時はまだかなり目新しいものであり,リトルウッド（数学者）と私は,それについて,際限なく何度も議論をした。私達がよく議論をしたのは,我々のいる場所から郵便局までの距離と郵便局から我々の場所までの距離とは等しいかどうかという問題であったが,この問題については決して結論に達しなかった。光の'歪み'に関するアインシュタインの予言（予測値）を,日食観測遠征隊が確証したのもこの時であった。また,リトルウッドは,観測結果はアインシュタインの予言（予測値）と同じであったということを知らせる電報を,アーサー・エディントン（英国の天文学者,でムブリヅジ大学教授）から受け取った。
The general theory of relativity was in those days rather new, and Littlewood and I used to discuss it endlessly. We used to debate whether the distance from us to the post-office was or was not the same as the distance from the post-office to us, though on this matter we never reached a conclusion. The eclipse expedition which confirmed Einstein's prediction as to the bending of light occurred during this time, and Littlewood got a telegram from Eddington telling him that the result was what Einstein said it should be.
Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB22-040.HTM
＜寸言＞
ラッセルが1925年に 出版した（アインシュタインの）一般相対性理論の解説書（ABC of Relativity）は、当時、一般向けの相対性理論解説本の「傑作（a masterwork)」として歓迎されました。現在でも、アマゾンで、2009年版（ペーパーバック版）を新本あるいは中古本で入手できます。（日本語訳も、古本ですが、アマゾンで入手可能です。）
アマゾンにおける出版案内の最後の一文を転載しておきます。
... One of the most definitive reference guides of its kind, and written by one of the twentieth century’s most influential philosophers, ABC of Relativity continues to be as relevant today as it was on first publication.
ラッセルは、1923年には物理学の一般向け入門書 ABC of Attoms も出版しており、大正時代に日本語訳も出ました。この翻訳のコピー（金沢大学図書館所蔵本）を持っていますが、残念ながら落丁があります。ネットでは１万円で１冊だけ売りに出されていますが・・・。 なお、早稲田大学教育学部教員図書室のラッセル文庫には ABC of Atoms の初版本を寄贈してあります。当文庫は松下が1983年に寄贈したラッセル関係コレクション(約2.000点)です。
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