バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私は,大戦以前には,時々懐疑主義に陥って無力になったり,時々冷笑的になったり,それ以外の時には無関心になったりしたが,第一次大戦が勃発した時には,あたかも神の声を聞いたかのように感じた。私の抗議がどんなに無益なものであろうとも,戦争に抗議することは私の役割(責務)であると理解していた。私の人間としての全ての本質が関係していた。(第一に)真理を愛するものとして,全交戦国の(自国本位の)国家宣伝にむかむかさせられた。(第二に)文明を愛するものとして,野蛮への復帰にぞっとさせられた。(第三に)若者たちに対する親としての感情を損なわれたものとして,青年に対する大虐殺に心を苦しめた。

I have at times been paralysed by scepticism, at times I have been cynical, at other times indifferent, but when the War came I felt as if I heard the voice of God. I knew that it was my business to protest, however futile protest might be. My whole nature was involved. As a lover of truth, the national propaganda of all the belligerent nations sickened me. As a lover of civilisation, the return to barbarism appalled me. As a man of thwarted parental feeling, the massacre of the young wrung my heart.
Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB21-050.HTM

<寸言>
 いったん他国と戦闘状態に入ると、「かつては」大部分の国民は感情に流され、戦争を熱烈に支持しました。いや、「現代においても」たとえば、2001年の9.11事件(アメリカ同時多発テロ事件)の時には、米国民の感情は沸騰し、米国(ブッシュ政権)は(テロ組織のアルカイダを攻撃するために)アフガニスタンに侵攻しました。また、イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸国」と断定するとともに、イラクは大量破壊兵器を所有しているとして、イラクを攻撃しました。しかし、イラク全土をくまなく捜索しても、大量破壊兵器は一つも見つかりませんでした。
 9.11テロの前、ブッシュ大統領の支持率は50%を切っていましたが、対テロ戦争に踏み切った後、ブッシュの支持率はなんと9割にもなりました。
 第一次世界大戦勃発時の英国も同様でした。ほとんどの国民がドイツをたたくために戦争は必要だという主張している時に反戦をとなえたラッセルの立場の厳しさは大変なものであったことは想像に難くありません。第一次世界大戦後、支払いきれない賠償金をドイツに課したことが、第二次世界大戦の火種の一つとなりました。(以後、欧米においては、戦争に勝利しても、敵国に支払い不可能な賠償金を課すことは逆効果だと考えるようになりました。)

 
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