ラッセル英単語・熟語1500 |
1913年(ラッセル41歳)における,私にとって重要な出来事は,ジョウゼフ・コンラッド(Joseph Conrad, 1857-1924:イギリスの小説家)との友情の始まりであり,それは,私達2人ともがオットリンと親しかったおかげである。私は長年の間,彼の著作(小説)の賛美者であったが,紹介なしではあえて知己を得ようとはしなかったであろう。私は,いくらか不安を感じながらも期待を抱いて,ケント州のアシュフォードの近くにある彼の家を訪ねていった。・・・彼と私は,大部分の事柄について,意見の一致はなかったが,きわめて根本的なところで,驚くほど一致していた。
An event of importance to me in 1913 was the beginning of my friendship with Joseph Conrad, which I owed to our common friendship with Ottoline. I had been for many years an admirer of his books, but should not have ventured to seek acquaintance without an introduction. I travelled down to his house near Ashford in Kent in a state of somewhat anxious expectation. ... He and I were in most of our opinions by no means in agreement, but in something very fundamental we were extraordinarily at one.
Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 chap. 1
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB17-080.HTM
<寸言>
コンラッドの小説はほとんどのものが映画化されています(Wikipedia 参照)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%89#%E6%98%A0%E7%94%BB
一番日本で知られているのは、フランシス・コッポラ監督の「地獄の黙示録」(1979年)でしょうか?
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少しだけ引用しておきます。
https://russell-j.com/beginner/AB17-090.HTM
「彼の著作のなかで,私が最も賞賛したのは「闇の奥」と題する恐ろしい小説である。その小説の中で,一人のやや気の弱い理想主義者が,熱帯(地方)の森の恐怖と野蛮人の間での孤独から発狂する。この小説は,彼の人生観を最も完璧に表現している,と私は思う。彼は,そのようなイメージを受け入れたかどうかはわからないけれども,文明化され,道徳的に何とか耐えられる(?)人生を,何時壊れ,不注意な人間を灼熱の深みに落下させるかもしれない,かろうじて冷えた'溶岩の薄い地殻(皮)'の上を歩くような危険なものとして考えた,と私は思った。彼は,人間が陥りやすい情熱的な狂気の多様な形態について非常によく自覚しており,この自覚から,彼は,規律(自制:discipline)というものの重要性を深く信じた。・・・」
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell