ラッセル英単語・熟語1500 |
そうした内省の5分間が過ぎた時,私はまったく違った人間になっていた。・・・長年の間,ただ'精確さ'と'分析'をのみ好んできたが,(5分の内省の後)美に対する半ば神秘的な感情,子供に対する強い関心,また,(苦しい)人生を堪えることができる何らかの哲学を見いだしたいという'釈迦'(ブッダ)の場合と同じような深い望みに満たされている自分を発見した。
At the end of those five minutes, I had become a completely different person. ... Having for years cared only for exactness and analysis, I found myself filled with semi-mystical feelings about beauty, with an intense interest in children, and with a desire almost as profound as that of the Buddha to find some philosophy which should make human life endurable.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 chap. 1
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB16-030.HTM
<寸言>
仏陀は、人生の4大苦悩として「生・老・病・死」をあげました。「老・病・死」はわかるとしてもなぜ「生」が4大苦悩のひとつなんだろうかと思う「幸せな人生を歩み続けている」人も少なくないでしょうが、多くの人にとっては、なんらかの原因(戦争、貧困、愛情のなさ、生まれつきの不具、事故、その他)により、「生」も苦しみが散りばめられています。
仏陀は沙羅双樹の下で悟りを開き、「生きるもの全てにとって"生老病死"は避けられない苦しみである」と説きました。ラッセルもこの5分間の内省の後に「人生を堪えることができる何らかの哲学を見いだしたいという深い望み」に満たされました。
歳をとってから同様の思いにかられる人は多そうですが、ラッセルが28歳という若い時にそのような思いに満たされたことは、多くの人々(人類)にとって幸いでした。頭はとてもよくても、社会にほとんど貢献しない人のほうが多いので・・・。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell