バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 1896年の秋,-アリスと私は,3ヶ月間,渡米した。・・・
 私は,当時のアメリカを,島国英国人としての思いあがった優越感をもって眺めていたが,それにもかかわらず,アメリカの大学人,特に数学者たちとの接触によって,ほとんどの学問的な問題について,英国よりもドイツの方が優れているということを実感するようになった。旅行をしているうちに私は,不本意ながらも,知る価値のある一切のものはケンブリッジ大学で知ることができるという信念は,徐々に崩れていった。この点に関しては,旅行というものは非常に有益であった。


In the autumn of 1896, Alys and I went to America for three months,... I viewed America in those days with the conceited superiority of the insular Briton, Nevertheless, contact with academic Americans, especially mathematicians, led me to realise the superiority of Germany to England in almost all academic matters. Against my will, in the course of my travels, the belief that everything worth knowing was known at Cambridge gradually wore off. In this respect my travels were very useful to me.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 chap. 1
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB15-160.HTM

<寸言>
 『自伝』で「アメリカは,ゲーテにとってそうであったように,私(ラッセル)にとっても,ロマンチックな自由の国のように思われた」と書いています。しかし、1896年(ラッセル24歳の時)に初めて渡米するまで、学問研究においては英国が一番進んでいると考えていたとのことです。
 ラッセルは、この渡米によって、間接的に、ドイツのほうが英国よりも勝っていると思うようになりました。日本語の表現で言えば、「一皮むけた」ということでしょうか。

 
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