バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 数年の間,ウェッブ夫人は,一部は健康上の,また一部は宗教上の動機から,断食に熱中していた。・・・。  ウェッブ夫妻とフランスのノルマンディーのあるホテルに一緒に滞在していた時,夫人は,私達(夫婦)が朝食事をしている痛々しい光景に耐えられなかったため,いつも朝は2階にいたままであった。けれども,シドニーはいつも,ロール・パンとコーヒーをとりに1階に下りてきた。宿泊した最初の朝,ウェッブ夫人は,「シドニーの朝食用のバターが,'私達には',ありません。」といったメッセージを女中にもたせてよこした。彼女が「私達」という言葉を使うのは,夫妻の友人たちにとって楽しみの1つであった。


For a number of years Mrs Webb was addicted to fasting, from motives partly hygienic and partly religious.... When they and I were staying at a hotel in Normandy, she used to stay upstairs in the mornings since she could not bear the painful spectacle of us breakfasting. Sidney, however, would come down for rolls and coffee. The first morning Mrs Webb sent a message by the maid, 'We do not have butter for Sidney's breakfast'. Her use of 'we' was one of the delights of their friends.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 chap. 1
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB14-060.HTM

<寸言>
 添付したウェブ夫妻の写真は、1932年に、ロシアに向かう客船に搭乗していた時のものですが、断食の「成果」もあるのか、ウェブ夫人(ベアトリス)はとてもやせていて長身です。
 夫の朝食用のパンに塗るバターがないことを告げるのに、「We do not have butter for Sidney's breakfast'.」というように「We」を使うのは、それほどウェブ夫妻は「一心同体」だったということの現れかも知れません。
 今思いつきましたが、中学1年の英語の授業で、「この段落から文法上の間違いを指摘せよ」と出題し、「We」はおかしいという生徒に対し、「前後関係をよく見ながら適切な訳し方をしないといけません!」なんていう嫌味な英語教師がいるかも知れません。

 
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