バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500
 彼(シドニー。ウェッブ)はやや生真面目であり,政治理論のように神聖な問題に関しては冗談を好まなかった。ある時,私が彼にこう言ったことがある。民主主義(制度)には少なくとも1つだけいい点がある,すなわち,民主主義は,国会議員はその選挙民よりも愚かであることを許されない,なぜなら国会議員が馬鹿であればあるほど,馬鹿な議員を選ぶということで選挙民がもっと馬鹿だということになるからであると。シドニーは,まじめな面持ちで当惑し,そして刺すように,「そういった種類の議論は,私は好みません!」と言った。


He was somewhat earnest and did not like jokes on sacred subjects such as political theory. On one occasion I remarked to him that democracy has at least one merit, namely, that a Member of Parliament cannot be stupider than his constituents, for the more stupid he is, the more stupid they were to elect him. Webb was seriously annoyed and said bitingly, 'That is the sort of argument I don't like'.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 chap. 1
 More info.:https://russell-j.com/beginner/AB14-040.HTM

<寸言>
 シドニー・ウェッブ(Sidney James Webb, 1859 -1947)はロンドン大学の前身である LSE (London School of Economics,1895年設立) の創設者あるいはフェビアン協会の創設者として知られています。ラッセルはそのLSEの最初の講師を務めており、その6回の連続講義(German Social Democracy)は、ラッセルが24歳(1896年)の時に単行本として出版されています。
 ラッセルが最初に出した本は数学や論理学ではなく、ドイツの社会主義(社会民主主義)に関する本であり、マルクスの『資本論』全3巻を精読して、その剰余価値説を批判しています。私も河合秀和先生の訳本(みすず書房刊)を「比較的に」若い時に読みましたが、数学や論理学の専門家が経済学(経済思想)の研究書を24歳に出せるという知識や識見の広さに驚いた記憶があります。日本の学者でそのような芸当をやった人を私は知りません。

 
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