バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


  祖母の恐れを知らない勇気,公共心,因襲に対する軽蔑,多数派の意見に対する無関心は,いつも私には善いことだと思われたし,模倣する価値のあることだと強く印象づけられた。祖母は,見返しの遊び紙(白紙)に祖母のお気に入りの文句が書かれている聖書を私にくれた。その中に次の文句があった。

 「汝,群衆に付和雷同し,悪を為すなかれ」
 祖母がこの聖句を強調してくれたことは,後になって,私がごく小さなマイノリティに属することを恐れなくさせてくれた。


Her fearlessness, her public spirit, her contempt for convention, and her indifference to the opinion of the majority have always seemed good to me and have impressed themselves upon me as worthy of imitation. She gave me a Bible with her favourite texts written on the fly-leaf. Among these was "Thou shalt not follow a multitude to do evil." Her emphasis upon this text led me in later life to be not afraid of belonging to small minorities.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 chap. 1
 More info.:https://russell-j.com/beginner/AB11-080.HTM

<寸言>
 ラッセルは4歳になる前に両親が亡くなりましたので、両親の死後、育ての親になる祖母(ミント伯爵の次女で、ジョン・ラッセル卿の後妻。祖父母は再婚同士でお互いに連れ子あり)は幼いラッセルにとってとても大切な人でした。そうして、今回引用した文章の直前に、その頃を振り返って、次のように書いています。

「私が4歳か5歳の頃,眼をさまして寝ころんでいて,もし祖母が亡くなったらどんなに恐ろしいことだろうと考えていたのを覚えている。だが私が結婚した後,実際に祖母が亡くなった時,私は彼女の死を少しも気にしなかった。しかし振り返ってみると,成長するにつれ,私の人生観を形作る上で祖母がいかに重要であったか,しだいに認識するようになった。・・・」

 なお、添付画像は1844年に描かれたもので、左側が祖母(Frances Russell, Countess Russell で,右側がラッセルの父親(John Russell, Viscount Amberley)。
https://en.wikipedia.org/wiki/Frances_Russell,_Countess_Russell

 
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