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・・・。あなたがいかなる種類の大馬鹿者であるかは、あなたのいわゆる哲学なるものを読んでみれば、容易にわかります。先日私はスイスのドイツ語新聞で少し読みましたが、その中であなたは明らかに次のように言っています。「我々は現在、3つの革命(大変革)前途を前にしている時代に生きている。即ち、青年の老人に対する戦い、貧しさの豊かさに対する戦い、それから、愚か者の知性に対する戦いである。・・・。」
あなたの'知性'を悩ましているこの3つの革命というのは、--これまで何世紀もの間、全ての世代を特徴づけてきたものでしたけれども--、断じて我々の前途に横たわってなんかいません。
何々卿といわれるような貴族でも、哲学者でもない、一介のスイス人より。
ラッセルからの返事(1958年8月30日付)
拝復
あなたが考えたことのない種類の大馬鹿者があります。それは、新聞で読んだものをそのまま信じる大馬鹿者です。私はあなたが引用したような記事は一度も書いたことも、言ったこともありません。
敬 具
バートランド・ラッセル
'What kind of an Idiot you are can easily be seen by reading some of your so-called philosophy. The other day I read something in a Swiss-German Newspaper you evidently have said: "We are now living in a period with three revolutions ahead of us: the fight of youth against old age; the fight of poorness against richness and the fight of the fool against intelligency ..."
Dear Sir, (August 30, 1958)
There is a kind of idiot that you have not considered. It is the kind which believes what it reads in the newspapers. I never made any such statement as you quote.
Yours truly
Bertrand Russell
Source: Dear Bertrand Russell, 1969
More info.:https://russell-j.com/beginner/DBR2-25.HTM
<寸言>
平成25年10月に産経新聞(電子版)が「村上春樹、ノーベル文学賞受賞」の速報(号外)を出した時には驚きました。(新聞「紙」のほうではないので気づかなかった人が多いでしょうが・・・。)
朝日新聞がこんな誤報を出せばこっぴどく叩かれるでしょうが、産経新聞なら、「ああ、産経は政府筋(官邸など)からリークされる情報を裏をとらずにそのまま流す新聞社だから・・・」と「馬鹿にされた」(or 「理解された」)だけで、叩かれるようなことはほとんどなかったようです。
ネットの情報ももちろんいいかげんなものが多数ありますが、印刷されるとあまり疑わずに信じてしまう人が少なくないのも事実です。NHKの政治報道も、政権に対する「忖度」が度々疑われるような報道の仕方がけっこうあり、困ったものです。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell