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【私は数ヶ月前にあなたにお便りして、戦争の真の原因は資本主義にあることを指摘しました。しかし、あなたはご返事でそれに同意されませんでした。】
ラッセル(91歳)からの返事(1963年3月26日)
拝復 ホーウッド様、
・・・。私は資本主義反対の論を1896年(24歳の時)以降書いてきましたので、私の資本主義への反感を新しい現象だとあなたはお考えのようで、驚いています。私の資本主義への嫌悪は共産主義への嫌悪とほぼ同じです。しかし、私の両者に対する反対は、核戦争に対する憎悪に比べればはるかに及ばないものです。この説明で私の立場が完全に明らかになることを期待します。
敬 具 バートランド・ラッセル。
【 I wrote you some months ago pointing out that the real cause of war is Capitalism, but in your reply you did not agree. ...】
Dear Mr. Horwood, Mar. 26, 1963
.... I am surprised you should think my antipathy to capitalism a new phenomenon as I have written against it since 1896. My dislike for capitaqlism is about equal to my distaste for communism, but neither of these antagonisms on my part remotely compare with my detestation of nuclear warfare. I hope that this makes my positon quite clear,
With good wishes,
Yours sincerely
Bertrand Russell
Source: Dear Bertrand Russell; , 1969
More info.:https://russell-j.com/beginner/DBR2-33.HTM
<寸言>
資本主義国であれ、共産主義国であれ、大国は自国(あるいは同盟国)が保有している核兵器は平和を保つために必要だが、敵国が所有する核兵器は戦争をもたらすものだ(あるいは世界の安定を脅かすものだ)と主張しがちです。それぞれのシンパ(共鳴者)も同様の主張をしがちです。
日本だって、自国を守ってくれる「アメリカの核の傘」は良い(あるいは必要悪)だが、仮想敵国(中国や北朝鮮など)が保有する核兵器は「世界の安全を脅かすもの」だとして糾弾します。しかし、権力をもたない世界中の多くの人々がそれは「まやかしだ」と考えているだろうと思われます。
広島・長崎への原爆投下は「戦争を早く終わらせた」「米国人の犠牲を少なくした」と評価する米国人が多数存在しています。
核兵器ではないですが、最近ある書籍の新聞広告に「初めてアメリカ本土を"爆撃した”"勇敢な日本人航空兵”を米国のレーガン大統領がその功績を讃えた」といった称賛の言葉が繰り返し掲載されていいます。米国民の被害が軽微だったからこそ「(余裕をもって)褒め称える」ことができたのであり、もしも「多くの米国民が死亡」したら米国の大統領が称賛するはずはありません。そんなこともわからないような人達がこのような本を好んで購読しているのでしょうか?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%9F%E6%9D%91%E8%99%90%E6%AE%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell