バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 『ヴェトナムにおける戦争犯罪』と題する,ヴェトナムの情況とその含意について論じた私の著書が,1967年1月の初めにハードカバー版とペーパバック版の両方で出版された。・・・
 この本は,いくつかの新聞のなかで,かなりの敵意がこめられた論評がなされた。それゆえ,ぺーパーバック版の方は出版して2週間以内に売れ切れ,米国でも出版され,世界中で多くの言語に翻訳され出版されたことを知り,とてもうれしかった。


My book on the situation in Vietnam and its implications, called War Crimes in Vietnam, appeared early in January, 1967, in both cloth and paper editions. ... The book was reviewed with considerable hostility in some journals, so it was a pleasure to learn that the paperback edition was sold out within a fortnight of its publication and that the book has been published in the United States and translated and published in many languages throughout the world.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.:https://russell-j.com/beginner/AB34-230.HTM

<寸言>
 戦争には「戦争犯罪」がつきものです。戦場は異常な環境ですので、敵、味方、どちらの側にも戦争犯罪は発生しがちです。そうして、お互い、「戦争犯罪はなかった」ことにするための工作します。しかし、あまりにもひどい殺戮行為が行われた場合には、「隠しきれなくなり」、暴露され、世界から批判をあびることになります。
 ラッセルも、ラッセル平和財団の関係者をベトナムに派遣し、戦争の実態を把握しようと努力します。その過程で米軍による残虐行為の数々を発見します。
 ベトナムが共産主義化されればその周辺国にも共産化が進んでしまうという「ドミノ理論」によって、米軍は第二次世界大戦で投下されたものの2倍の爆弾をベトナム投下するとともに、ベトコン(南ベトナム解放民族戦線の俗称)の隠れ場となる森林やベトコン関係者の耕作地域破壊のために、枯葉剤がベトナム全土にまきちらしました。

 本書(『ベトナムの戦争犯罪』)が出された翌年にソンミ村の虐殺事件(注:無抵抗の村民504人を無差別に射殺。米軍が支持を失う契機となった事件で1968年3月16日に発生)が暴露され、世界に衝撃を与えました。ベトコンが村にまぎれこんでいるので、村の全てを焼き尽くして相手に恐怖を与えるという作戦ですが、少数のベトコンを殺害するために多数の一般村民を虐殺することになっても、「ベトコンを匿うからいけないのだ」と反論し、批判を無視しました。イスラエルの空爆によって多数のアラブ市民が亡くなっても、「テロリストを匿うからいけないのだ」と言って批判を無視するのと同じ態度です。
 ソンミ村虐殺事件についてご存知のない方は、下記のウィキペディアの記事を参考にしてください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%9F%E6%9D%91%E8%99%90%E6%AE%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

   
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